実地棚卸

棚卸はどのように行えばいいのでしょうか。

実際に現物を数えて材料の状態や残高を確認することを、実地棚卸といいます。決算期末に直接数を数えながら、その商品の品質や性能、保管状況を調査します。

この時、明らかに破損しているしているものや、一見して商品価値のないものが発見された場合は、在庫の価値(金額)を下げる「評価損」もしくは廃棄扱いにする「廃棄損」として計上する必要があります。その年度の損失にするには、当然ながら決算日までに実地棚卸をする必要があります。遅れないように必ず決算日に棚卸をするようにしましょう。

もしも在庫を、金庫などに預け入れている場合には、「決算日付の保管証明書」を取る必要があるので注意しましょう。若しくは自ら倉庫に出向いて、「実地棚卸」をする必要があります。どちらにしても、決算日での在庫を証明できるようにしましょう。

在庫を数える時には、その場で単価などを計算する必要はありません。会社や事業所によっては数も多く、数量を数えるのだけでも精一杯なところも多いでしょう。在庫の数を数える時には、必ず数量のみのカウントに集中しましょう。

棚卸の時点で必要なのは、在庫数です。単価を含めての計算は別途行いますので、この時点では気にしなくて問題ありません。

決算日に限らず、月に一度、数ヶ月に一度など、継続的に在庫数を記録している場合もあると思います。その場合は、必ず記録上の残数と、実地棚卸の結果の数量の付け合せを行いましょう。

もしも合わない場合は、合うまで確認する必要があります。普段からしっかりと管理を行い、実地棚卸の日に帰れなくなったなんてことがないように気を付ける必要があります。

棚卸資産と貯蔵品

決算時の利益を減らそうと、大量買いをする場合もあると思います。例えば決算日直前に、切手や収入印紙などを購入する場合です。これらももちろん在庫として扱います。

ですが、これらは「棚卸資産」ではなく、「貯蔵品」という勘定科目で扱われます。具体的に、何が違うのでしょうか。

貯蔵品は、資産の勘定科目にあたります。こまごました物品で未使用である必要があり、事業で扱われる商品や原材料はこれに該当しません。

事業に直接関係するものを「棚卸資産」、直接関係しないものを「貯蔵品」と覚えておくと分かりやすいと思います。

貯蔵品に関しては、上記で挙げた収入印紙や切手などはもちろん、他に新幹線などの回数券、文房具、会社の封筒、コピー用紙などもこれに該当します。

これらの物は、基本的には買ってすぐに、慌てて消費をすることはあまりないと思います。貯蔵品という名前の通り、しばらくオフィスに備蓄されるでしょう。貯蔵品は、発生主義の原則に従っています。まずは購入時に貯蔵品としての資産計上を行い、実際に使用したときに費用として計上するという方法です。

後は場合によるといったところも大きいのですが、一般的には「一定量を購入し、経常的に消費するものは貯蔵品に該当しない」といわれています。例えば、毎月50枚の収入印紙を購入している場合、その残りを貯蔵品にする必要はありません。ただし、決算日直前に必要内であろう収入印紙を200枚買ったとなれば、これは貯蔵品に該当します。貯蔵品の処理の方法については、財務上ではある一定の裁量の余地が与えられていると言われています。それぞれの会社に適した、合理的な処理方法を選択・実行することが必要と言えるでしょう。

決算の棚卸

決算をするにあたって、棚卸は必要な業務のひとつです。

棚卸とは、決算日の時点で残っている商品や在庫数をカウントして、どれだけの該当額があるかを確認する作業です。コンビニや本屋などの販売業でアルバイトをした人には、馴染みが深いかもしれません。商品点数が多い会社においては、棚卸は大変な作業になるでしょう。しかしこの棚卸をやらなくては、会社の損益を正しく把握することができません。

売上の総利益は、期首棚卸高+当期仕入高から期末棚卸高を引いた金額を、売上の総利益から引いたもので算出されます。

例えば1個が50円のものを100個仕入れたとしましょう。そのうち40個を、1個100円で売ったとしましょう。この時、売上は4000円になっています。この時に棚卸を行わないと、正しい利益が把握できない事態となってしまいます。また、100個のうち40個を売ったのですから、在庫は60個残っているはずです。

この時に数が合わない場合も出てきます。その時には、在庫の保管方法や、別の問題も浮上してきます。

在庫管理をしっかりと行うことで、今後の経営判断にもつながります。コストダウンはもちろんのこと、例えばすでに在庫があるにも関わらず仕入をしてしまった、というミスも起きにくくなります。

在庫を抱え過ぎてしまった場合、無駄な仕入れをしたことで単純に残高が減ってしまうのはもちろんですが、その在庫自体の価値も心配です。食べ物など単純に賞味期限がくるものはもちろんですが、売上相場は変動します。上がることは少なくとも、下がることも方が多いでしょう。

残った分を在庫処分で安くするなどして、上手く在庫をコントロールして、少しでも利益を出す必要があるでしょう。